塾長ブログ No.84 2024/6/18 うへにさぶらふ御猫は
塾長ブログ「春はあけぼの」で始まる平安時代の随筆、『枕草子』。
中学2年生の国語の教科書にも登場します。
作者は、清少納言。
一条天皇の中宮(ちゅうぐう)、定子(ていし)に仕えた女房です。
わかりにくいですよね(笑)
これだけで、古典が苦手になってしまう生徒さんがいるかも。
平安時代半ば頃、986年に66代の天皇として、満6才で即位しました。
その後、10才で成人し(当時は成人の年齢は決まっておらず、12才前後が普通でした)、
11才の時に15才の藤原定子と結婚しました。
中宮とは、天皇の奥さんのことです。定子もおそらく「さだこ」と呼んでいたと思うのですが、慣用的に「ていし」と言っています。
そして、この定子の家庭教師をしていたのが、清少納言。
天皇を和歌や漢詩についてのお話をするには、かなりの教養が必要になります。
そして、これを教えていたのが清少納言。
これは、女房名と言って、宮中で呼び合う時のニックネームのようなものです。
この当時、天皇のお后を除いて、女性の本名はわかっていません。
父親が清原元輔(きよはらのもとすけ)、関係者が少納言の地位についていた(これはわかっていませんが)女房という感じです。
清少納言は、定子中宮と一緒に過ごした、宮中の出来事や日常生活の中のちょっとした発見、また四季の移り変わりなどを書いていきました。
これが『枕草子』。現代でいえば、インスタグラムやXっていうところですね。
この中に宮中での猫の話が出てきます。
タイトルの「うへにさぶらふ御猫は」
「宮中で飼われている猫ちゃんは」というくらいの意味ですね。
ちょうど前回から、高校2年生国語コースで読解演習を始めました。
前置きの説明が長くなりましたので、このお話については、次回のブログにて。
猫の他に、犬も出てきますので、お楽しみに。