塾長ブログ No.98 2024/10/8 吾輩は猫である
塾長ブログ今日、10月8日は二十四節気の一つ「寒露」。
朝晩は冷え込みが増して、一日一日と、深まる秋が感じられる時季です。
うちの保護猫の兄弟も今日から猫団子をはじめました。
吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓(とん)と見当がつかぬ。
何でも薄暗いじめじめした所でニヤーニヤー泣いて居たことだけは記憶して居る。
『吾輩は猫である』
夏目漱石(なつめそうせき)がはじめての小説、『吾輩は猫である』を出したのが、今から119年前、1906年(明治36年)10月6日。
漱石は、本名 夏目金之助。慶応3年(1867年)、現在の東京都新宿区にて生まれました。
ちょうどこの年、坂本竜馬が暗殺され、12月9日には王政復古(おうせいふっこ)がありました。
東京大学英文学科、当時の東京帝国大学で英語を学び、大学卒業後は学校の教師をしてました。
19才の時には、私塾でアルバイトもしています。まぁ、今の塾講師。
当時のことを後になって次のように書いています。
月給を5円もらって、日に2時間ほど教えへてゐた。自分は英語で地理書や幾何学を教へた。
幾何の説明をやる時に、どうしても一所になるべき線が、一所にならないで困った事がある。
所が込み入つた図を書いてゐるうちに、其の線が2つ黒板の上で重なりあつて一所になつて呉れたのは嬉しかつた。
英語で数学を教えていたんですね。
ロンドンへ、国から派遣されて留学をしているほどの漱石ですが、どれくらいの英語力があったんでしょう?
先ずは次の英文を見て下さい。
中学2年生まではちょっと難しいかな?辞書をひきひき読んでくださいね。
高校生は辞書なしで読めないといけませんよ。
An Ennichi
In Tokyo, there are so many temples, dedicated to gods, that almost every day in the month is a festival day, held in memory of those gods.
Near my house, there is a small temple dedicated to Inari.
Though the temple is not magnificent, the festival is very popular.
漱石、18才の時の作の前半部分。
これについては、面白い実験がありました。
同年代の現役東大生で漱石と同程度の英語力をもっている2人に同じ題で英作文を書かせて、漱石と比べるというもの。
その結果、漱石の英語力は彼らとほぼ同じか少し優れていると出ました。
1人の生徒は高校1年生の時に英検1級合格。もう1人はTOEIC 940点。
漱石は、16才で神田駿河台の英学塾成立学舎に入った時は、今の中学2年生レベルの英語力であったと言われています。17才で高校1年生レベル。18才の時には、英検1級レベル。
今の僕たちのように音声教材などもなかった明治の頃。
きっとすごい勉強量だったのでしょう。
10月6日(日)は、第2回英語検定の一次試験が実施されました。次は、2025年1月26日。
漱石に負けないように僕たちも頑張りましょうね。
また、秋の夜長、スマホから目を離し、『吾輩は猫である』『坊っちゃん』など漱石の名作を是非読んでください。