塾長ブログ No.104 2024/11/19 In put Out put~その1
塾長ブログ単語や公式を覚えるのが ”In put”。
文系科目では、英単語・古文単語、英語構文、古典の助動詞・漢文の句形に社会の用語。
理系科目では、物理・化学・数学の公式や基本理論。
生物になるともっと覚えることがたくさんあります。
教科書を読んだり、参考書や単語帳を見たりと数や難易度の程度こそあれ、小学生から高校生まで日々これに時間をかけていますね。
「勉強=暗記」になっていることもあります。
懇談の時に保護者様からよくあるご相談の一つに、「うちの子、真面目に単語でも漢字でもコツコツ覚えて勉強しているのですが、成績が上がらないんですよ」というのがあります。
授業を担当してしばらく様子を見ると、確かに「暗記するべきもの」はおおむね覚えられています。
でも、実際問題をしてみると解けない。
中。高校生でも、次のような例が多々あります。
熟語 look for ~:~をさがす ←これは覚えられています。
問題 次の日本語に合うように( )内に適語を入れなさい。
1. 彼は時計をさがしている。[中1]
He is ( )( ) his watch now.
2. 彼は朝からずっと時計を捜している。[高1]
He ( )( )( )( ) his watch since this morning.
1.には( looking )( for ) 2.には( has )( been )( looking )( for )が入ります。
おわかりですね。
“Out put”の仕方がわからない。
せっかく覚えた熟語の使い方がわからないんです。
原因は問題練習不足。問題演習の数が足りません。
ちょうど、大半の中学校が先週末から今週にかけて2学期期末テストが実施されています。
高校はあともう少しですね。
この時に暗記に時間がかかり過ぎると実際の問題演習まで手が回らない。
やる気がなくなり勉強が嫌になる。
更に成績が上がらない。
・・・。
マイナスのスパイラルに陥ってしまいます。
哲学や社会学の言葉でこれを「自己目的化」または「手段の目的化」といいます。
健康になりたくてトレーニングをする。
しかし、いつの間にかトレーニングをすることが目的となり、過度な負担を体にかけて体を壊してしまう。
こういうことです。
単語や公式の暗記は、文法問題・長文問題を解く、手段であり目的ではありません。
よく、理科のテストを受ける生徒さんが「公式は覚えたから大丈夫」といいますが、これ全然大丈夫じゃないんです。
具体的な対処法(というほど大げさなものではありませんが)については次号で詳しくお話していきます。