塾長ブログ No.137 2025/9/2 見上げてごらん夜の星を
塾長ブログ夏休み、受験生は一日中机に向かい、下を向いて勉強に励んできました。
夜になっても蒸し暑さが残り、外に出るのも気が重かったことでしょう。
しかし9月に入ると、風が少しひんやりし、草むらからは秋の虫の声が聞こえるようになりました。小さな秋は、気づかぬうちにそっとやって来ています。
ふと顔を上げて夜空を見上げると、そこにはまた新しい世界が広がっています。
今年の9月には、ちょうど二つの天体ショーが僕たちを待っています。
ひとつは9月8日の皆既月食。7日の深夜1時27分ごろ月が欠け始め、2時30分から3時53分ごろまで、月は地球の影にすっぽりと入り込みます。
そのとき月は真っ暗にはならず、赤銅色に染まって見えます。
これは、太陽の光が地球の大気を通るとき、青い光は散ってしまい、赤い光だけが曲がって月を照らすからです。
まるで夕日のような光が、地球から月へと届いているのです。
兵庫県でも、西の空に沈む前の月が神秘的な姿を見せてくれるでしょう。
もうひとつは9月21日の土星の「衝(しょう)」です。
衝とは、地球から見て土星が太陽と反対側に位置すること。
つまり夕方に昇って朝まで見える、1年でいちばん観察しやすい時期です。
今年は土星の環が横向きになり、いつもより細く見える特別な姿になります。
望遠鏡があれば環や衛星タイタンも観察できますが、肉眼でも土星の存在はしっかりと感じられるはずです。
勉強に追われる毎日ですが、ときには下を向く手を止めて、夜空を仰いでみましょう。赤く染まる月や静かな土星の光は、疲れた頭を冷やし、目を休め、心に静かな力を与えてくれます。
自分を信じて努力を続けるみんなに、夜空はきっと優しく語りかけてくれるはずです。