塾長ブログ 2025/11/18 No.146 生きてこそ
塾長ブログここ1カ月ほど、少し動くと胸が痛み、すぐに息が上がる状態が続いていました。しばらく休むと元に戻るため様子を見ていたのですが、
11月2日、個別指導コースの管理中に痛みが引かず、少し歩くだけで息切れがするため、翌3日にかかりつけの病院を受診しました。
心電図・胸部CT・血液検査の後、院長先生の診察です。
「急性心筋梗塞を発症しとる。今、救急車呼んで三田市民病院に連絡したから、すぐに行こか。大丈夫やからな。」
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点滴につながれたまま救急車に乗り、病院へ直行しました。
30分ほどで到着すると、救急外来ではスタッフの皆さんが待ち構えてくださっていました。
ストレッチャーに乗ったまま、いくつもの管をつながれ、そのままカテーテル手術へ。
この間、数時間ほどだったと思います。
人は、まったく予想していなかった状況に置かれると、すべてが他人事のように感じられるものだとわかりました。
自分自身に何が起きているのかよくわからない――それでいて、妙に冷静でもありました。
駆け付けた家内には、長田・山内両講師への連絡と授業の段取りを託し、さらにコンタクトレンズを外して何も見えなかったため、眼鏡とスマートフォンの充電器を持ってきてもらうよう頼んで、ひたすら眠りました。
「人間って、こんなに眠れるんだ」と思うほど眠りました。
翌朝、目が覚めてから高校生の皆さんに休講の連絡をし、とりあえず16日までの予定をキャンセルしてもらいました。
ここまでが、ベッドから起き上がることも許されない絶対安静。
その後は、
病室内は歩いてよい
同じフロア内も歩いてよい
病院内も歩いてよい
と、数日おきに先生から許可が出ていきました。
この頃から、事の重大さがじわじわとわかってきました。
・たまたま休みで、すぐに病院に行けたこと
・初期症状の段階で、かかりつけの先生が見つけてくださったこと
・救急救命士さんや医師・看護師の皆さんが迅速に処置してくださったこと
いくつもの偶然が重なって助けていただいた命でした。
病院のベッドの上で、ずっと考えていたことがあります。
――もし今、死んでしまったら。
家内や息子はどうやって暮らしていくのだろう。
りたやそるは寂しがるだろうな。
山内・長田両講師に大きな迷惑をかけてしまう。
生徒さんを卒業まで見届けることができず、本当に申し訳ない。
特に最後の想いは、胸に強く迫りました。
主治医の先生は、
「塾の先生でしたら今が一番大変な時期でしょう? 今回は3か所のうち一番悪かったところを治療しました。これで当分は大丈夫です。新学期が始まって少し落ち着いたら、次の手術をしましょう。」
とお話しくださり(先生はご自身の経験から受験のことをよく理解されていて、僕の仕事も理解してくださっていると感じました)、4月以降に再度手術を受ける予定です。
※できるだけ授業への支障が出ないようにします。
ただし、先生からは「睡眠不足が一番ダメです。とにかく寝てください。無理は禁物です。」と強く言われました。
本来であれば、高校生コースの2週間分の休講もすぐに振替したいところですが、年度末の3月までに入れさせていただければ幸いです。
生徒さんからいただいたお見舞いの言葉、保護者様からのご心配のお声に大変励まされました。
もちろん、心配して見守ってくださった皆様のお気持ちも本当にありがたいものでした。
手術の翌日、たまたま大学が休講だったと息子も少し困った顔をして見舞いに来てくれました。
そして退院して10日ぶりに家に帰ると、玄関で「ニャー」と鳴いて抱き着いてきた「りた」を見て、あぁ、まだ当分はこの子たちのためにも、生きていないといけないな、とつくづく思いました。
ともあれ、今回のことで、今までの僕の生活習慣や教室のことなども見直すことが出来ました。
今、通っている生徒さんが高校を卒業されるまでの あと10年、しっかり頑張っていきたいと思っています。
改めて、これからもよろしくお願いいたします。