塾長ブログ No.160 2026/3/17 「ばけばけ」と小泉八雲
塾長ブログ僕は普段、テレビをほとんど見ませんが、日曜日の大河ドラマと平日朝の連続テレビ小説だけは別です。これは欠かさず見ています。
今、放送されているNHKの連続テレビ小説『ばけばけ』も、いよいよ3月末で終了しますね。
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルにしたヘブン先生と、その妻トキ。 実際には小泉セツさんを主人公にした物語ですが、ヘブン先生とトキ、またそれを取り囲むたくさんの良い人達の会話や機微を楽しみにしています。
ここで少し、小泉八雲についてご紹介しましょう。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)
1850年、ギリシャ生まれ。アイルランドやアメリカで過ごした後、1890年に来日しました。松江の中学校で英語教師を務め、小泉セツと結婚。後に日本へ帰化しました。『怪談』の著者として有名ですが、西洋化が進む明治の日本において、日本人が忘れかけていた情緒や精神性を独自の温かな視点で描き、世界に紹介した人物でもあります。
ハーンの名を聞くと、僕は大学時代を思い出します。
小学生の頃、小泉八雲著『怪談』を読んで、なんとなくその作者名と、彼が外国人であることは知っていました。しかし、彼が単なる「怪談の書き手」ではなく、数々のベストセラーを世に送り出していた文化人だったと知ったのは、大学の英語の授業でのことでした。
当時の授業では、今の人たちが読むような現代のトピックを扱うことはほとんどありませんでした。
そこで出会ったのが、ハーンの著作『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』です。
ふと懐かしくなり、久しぶりに読もうと当時の教科書を書庫で探してみたのですが、残念ながら見当たりません。どうしても読み返したくなり、先日、新たに購入しました。
特に楽しみにしているのが、授業で僕が当てられた「The Japanese Smile(日本人の微笑み)」という章です。あの頃、辞書を片手に必死に和訳を考えた記憶が鮮明に蘇ります。日本人の微笑みの奥にある精神を、異邦人であるハーンがどう捉えたのか。今の年齢で読み返すと、どんな景色が見えるのでしょうか。
年度末の今は少し忙しく、まとまった時間が取れませんが、春休みか5月の連休の時に、ゆっくりと読み進めていきたいと考えています。
一冊の本を手に取り、かつて学んだ言葉と再び対話する。そんな静かな時間は、何物にも代えがたい贅沢な気がします。皆さんも、今は新学年の準備で慌ただしいでしょうが、いつか「あの時学んだことが、今の自分を支えている」と感じられるような、そんな豊かな学びの種を、今のうちに心の中に蒔いておいてほしいなと思います。