塾長ブログ No.170 2026/6/9 「現役合格する生徒さんは何が違うのか?テスト前にスマホと決別するコツ」
塾長ブログ新緑の季節を迎え、日差しにも夏の気配が感じられるようになってまいりました。
定期テストの足音が近づくこの時期、面談や日々のコミュニケーションの中で、保護者様から最も多く寄せられるのが「子どもがスマホばかり見ていて、一向に勉強を始めない」という切実なお悩みです。
生徒さんが画面に釘付けになっている姿を見ると、つい焦りやイライラから「いい加減にスマホを置きなさい!」「没収するわよ!」と強い言葉を投げかけたくなるお気持ちは、僕も痛いほどよく分かります。しかし、現代のSNSの通知やオンラインゲームのイベントは、脳科学的にも子どもの関心を惹きつけるように巧みに設計されており、本人の意志の力だけでコントロールするのは非常に困難なのです。
まずは保護者様自身の焦りやイライラを少しだけ和らげていただき、建設的な話し合いができる土台を作ることが大切です。実は、保護者様が陥りがちな対応には、いくつかの「限界」があります。
保護者が陥りがちなNG対応とマインドの転換
- 「スマホを没収する」「一方的に禁止する」の限界
無理に取り上げると、生徒さんは激しく反発して隠れて使うようになったり、友人関係から孤立する不安(FOMO:取り残される恐怖)から親子関係が急激に悪化したりします。ですから、僕からの提案は、スマホを「取り上げる」のではなく、「ルールを一緒に作り、仕組みで管理する」方向へマインドを切り替えることです。
- 「勉強しなさい」という抽象的な声かけの限界
スマホが放つ圧倒的な刺激や楽しさに勝てるほどのモチベーションを、言葉の強さだけで引き出すのは今の時代、非常に難しいのが現状です。
では、学ゼミでこれまで目覚ましい成果を収め、現役で第一志望の大学へと進学していった生徒さんたちはどうしていたのでしょうか。彼らには共通する決定的な強さがありました。それは、決してスマホを全く使わなかったわけではなく、テスト前やここぞという瞬間に、鮮やかな「けじめ」をつけていたということです。
彼らが実践してきた「けじめ」の付け方をベースに、ご家庭で今日から取り組める具体的な「仕組みづくり」の三段階対策をご提案します。
具体的な「仕組みづくり」の提案(三段階の対策)
生徒さん任せにするのではなく、以下の3つのステップ(物理的・機能的・時間的)で環境を整えてあげることをお勧めします。
① 物理的対策(視界から消す・遠ざける)
人間の脳は、目に入るだけでその対象のことを考えてしまう特性があります。優秀な生徒さんほど、自分の意志の強さを過信せず、徹底して「目に入らない環境」を作っています。
- 勉強中のスマホの置き場所: 「勉強机の上には絶対に置かない」「リビングの共通充電スタンドに置く」「勉強中は親に預ける」など、物理的な距離を強制的に作らせます。
- スマホロックボックスの活用: タイマー式で指定した時間まで絶対に開かないボックス(タイムロッキングコンテナなど)を、ゲーム感覚で導入するのも非常に効果的です。
② 機能的対策(ペアレンタルコントロールの活用)
スマートフォンの標準機能を使い、強制力を持たせた仕組みを作ります。
- スクリーンタイム(iPhone)/Google Family Link(Android)の活用:
「夜22時以降はアプリをロックする」「SNSやゲームの利用は1日計1時間まで」といった制限を設定します。 ここでの最大のポイントは、親が勝手に設定して押し付けるのではなく、「あなたの勉強時間と大切な睡眠時間を守るために、一緒に制限のルールを決めよう」と、親子で話し合って合意の上で行うことです。
③ ルールと「ご褒美(インセンティブ)」の連動(時間的対策)
- 「やるべきこと」を先にやるルーティン化:
「学校の宿題や塾の復習、今日の計画分が終わるまでは、絶対にスマホに触らない」を我が家の絶対ルールとして定着させます。
- 使用時間の「変動制」:
ただ制限するだけでなく、定期テストの結果や、1週間の学習目標の達成度に応じて、週末のゲーム時間を少し延長できるなどの「ご褒美(インセンティブ)」を設けます。これにより、生徒さんのモチベーションが勉強に向かいやすくなります。
塾(学窓社ゼミ)としてサポートできること
とはいえ、家庭内だけでルールを守らせようとすると、どうしても感情がぶつかり合い、揉めてしまうことも多いと思います。そんな時は、第三者である「塾」の環境や僕たちの立場を大いに利用してください。
- 「自習室」をスマホフリーの聖域にする
学窓社ゼミでは、「塾に来ている間は、スマホは、カバンの奥深く(電源OFF)にしまう」というルールを徹底しています。「家では誘惑が多くてどうしても無理」という生徒さんでも、周りの仲間が必死に机に向かう自習室という環境に入れば、自然と「けじめ」がつきます。この聖域を提供することが、僕たちの最大の解決策の一つです。
- 学習の「可視化」で達成感を与える
スマホゲームにお子様がハマるのは、レベルアップや報酬といった「頑張りがすぐに数字で見える仕組み」があるからです。勉強でも同様に、勉強時間を記録するアプリ(例:Studyplusなど、SNS機能に制限をかけたもの)を活用したり、塾での小テストの合格スタンプを集めたりと、「頑張りが数字や形で見える化される仕組み」を取り入れることで、ゲーム感覚で机に向かうきっかけを塾でも演出しています。
最後に
保護者様は「うちの子だけがどうしてこんなにスマホばかり……」と孤独に悩まれているケースが本当に多いですが、これは現代のすべての子どもたち、そしてすべての家庭が直面している共通の大きな課題です。決してお一人で抱え込む必要はありません。
スマートフォンは、決して敵ではありません。これからの時代を生きる子どもたちにとって、スマホを敵視して遠ざけるのではなく、学習や健康な睡眠を守るための「大人の使い方」を、今この時期に一緒に練習していくのだと捉えてみてください。
今回の定期テスト、そしてその先にある志望校合格という大きな目標に向かって、生徒さんたちが素晴らしい「けじめ」をつけられるよう、僕たちも塾の現場で全力で伴走し、サポートしてまいります。家庭と塾がしっかりと手を取り合い、子どもたちの可能性を一緒に広げていきましょう。