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塾長ブログ No.181 2026/9/22 秋の夜、虫の音に耳を澄ませて

塾長ブログ 塾長ブログ No.181 2026/9/22 秋の夜、虫の音に耳を澄ませて

今年の夏は、本当に暑い夏でした。

気象庁が今年から、最高気温40℃以上の日を正式に「酷暑日」と呼ぶことになりました。2026年の夏も、全国で多くの「酷暑日」が観測されています。

そんな酷暑の夏も、ようやく一息ついたようです。

朝晩は少しずつ秋らしくなり、窓を開けると、どこからともなく虫の声が聞こえてきます。

松虫、鈴虫、キリギリス。 コオロギ、ウマオイ、クツワムシ。

秋の虫の声を聞いていると、「日本の秋だな」と感じます。

ところで、中学生や高校生の皆さん。古典の授業で虫が出てきたときには、少し注意が必要です。

というのも、昔と今では、虫の名前が違っているものがあるからです。

現在のコオロギは、古くは「きりぎりす」と呼ばれていました。 『平家物語』にも、

「千草にすだく蟋蟀のきりぎりす」

という表現が登場します。

漢字だけを見ると「蟋蟀」と書かれていて何のことかわかりにくいのですが、「蟋蟀(しっしゅつ)のきりぎりす」という言い方は、漢字の音読みと、当時の呼び名を重ねた表現です。ここでいう「きりぎりす」は、現在のコオロギを指しています。

一方、現在のキリギリスは、古くは「はたおり」と呼ばれることもありました。『枕草子』にも「虫はすずむし、ひぐらし……はたおり」とあります。

古典を読むとき、「知っている言葉だから大丈夫」と思っていると、思わぬところで意味を取り違えてしまいます。言葉は、時代とともに少しずつ変わっていくものなのですね。

今朝の朝日新聞を読んでいて、さらに驚く記事を見つけました。

「ジュラ紀の虫の音を『再現』」

中国やイギリスなどの国際研究チームが、なんと約1億6500万年前、恐竜が生きていたジュラ紀の「虫の音」を再現したというのです。

研究対象になったのは、現在のキリギリスやコオロギにつながる「キリギリス亜目」の仲間9種。中国・内モンゴル自治区から見つかった約1億6500万年前の化石20個を詳しく調べ、現代の近縁種の翅の構造などと比較しました。

そして、そのデータをもとにコンピューターで音を推定したところ、当時の森にも、今の僕たちが聞いているような虫の「合唱」が響いていた可能性があるというのです

ジュラ紀の虫の音を「再現」 当時の森「コーラスで満ちていたかも」 動画:朝日新聞

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6500万年前。

気の遠くなるような時間です。

恐竜たちが森を歩いていたころ、木々の間では虫たちが鳴いていた。そして、何千万年、何億年という時間を経て、今も僕たちは秋の夜にその声を聞いている。

そう考えると、いつもの虫の声が、少し違って聞こえてきませんか。

僕たち人間がこの地球上で暮らすようになってからの時間は、地球の長い歴史から見れば、ほんのわずかです。

そのわずかな時間の中で、秋の虫たちは変わることなく、僕たちの心を慰めてくれているのです。

今夜は少しだけスマートフォンから離れて、耳を澄ませてみてください。

「リーン、リーン」 「チンチロリン」 「スイッチョン」

もしかすると、その声のずっと遠い先には、恐竜たちが耳を澄ませていた夜があるのかもしれません。

そう思いながら、今夜の虫の音を聞いてみてください。

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