塾長ブログ No.187 2026/11/3 読む力、考える力、そして知的好奇心
塾長ブログ11月1日、個別指導コースの授業が終わった後、大学生講師の二人と少し話をする機会がありました。
一人は京都大学大学院の新家君、もう一人は神戸大学大学院の細見君です。
新家君は文系、細見君は理系。それぞれ専門分野は違いますが、話をしていると、二人に共通するものが見えてきます。
細見君が、大学で学ぶ数学について興味深い話をしてくれました。
高校までの数学は、公式や解法を覚え、あとは問題演習を重ねることで、ある程度は対応できる。
しかし、大学の数学はまったく次元が違うというのです。
その話の中で、細見君が持ち出したのが「y=ax+b」という一次関数の式でした。
あくまで彼のたとえですが、bの部分、つまりもともと持っている基礎的な力には、それほど大きな個人差はない。
一方、aの部分は人によって大きく違う。
仮にaが1の人と10の人では、同じ条件でも結果にはずいぶんと差が生まれる。
そのaの部分こそが、いわゆる地頭の良し悪しに関わってくるのではないか、という話でした。
もちろん、人間の能力を単純に数式で表せるわけではありません。
しかし、同じことを学んでも、そこからどれだけ深く考え、発展させられるか。その違いを表す、なかなか面白いたとえだと思いました。
一方、新家君は、大学に入学してから文章がずいぶん読めるようになったと話してくれました。
高校時代には難しく感じていた文章も、大学、そして大学院と進む中で、勉強や研究に必要な読書を重ねるうちに、理解できるようになってきたそうです。
これは、とても大切な話だと思います。
前号でも読書の必要性について書きましたが、文章を読む力は、単に文字を追う技術ではありません。
書かれている内容を正確に理解し、背景を想像し、筆者の意図を読み取り、自分の頭で考える力です。
そして、その力は一朝一夕に身につくものではありません。
少し語弊があるかもしれませんが、入学するのが難しい大学の入試問題は、英語をはじめ、どの科目も相応に難しいものです。
僕自身、大学入試の国語の問題を解いていて、悪戦苦闘することもあります。
それは単に知識の量を測っているだけではなく、入学後の専門的な授業や研究についていけるだけの読解力や思考力があるかどうかを見極める、ひとつのふるい分けでもあるのではないでしょうか。
そして、今回話をした二人に共通しているのは、今も勉強を続けていること、そして何より知的好奇心が旺盛なことです。
これは、うちの講師全員にいえることでもあります。大学で専門分野を学びながら、新しい知識を吸収し、自分の考えを深めていく。
そんな姿に、僕自身もずいぶんと刺激を受けています。
人と話すことで、自分の知らなかった世界に触れ、もう少し勉強してみようと思える。
年齢を重ねても、そうした感性を刺激してくれる人たちが身近にいてくれることは、本当にありがたいことです。
だからこそ、これからも本を読み、文章に触れ、考えることを大切にしていきたいと思います。